モバイルバッテリーの本体がふくらんでいる、ケースにすき間ができている、机に置くとガタつく。こうした変形に気づいたら、まだ充電できていても、そのまま使い続けてはいけません。
この記事では、NITE(製品評価技術基盤機構)と消費者庁が公表している注意喚起をもとに、膨らんだモバイルバッテリーに気づいたときにすること・してはいけないことを整理します。
この記事の結論
- 膨らんで変形しているのは異常のサイン。充電も使用もすぐにやめる
- 押す・つぶす・穴を開ける・分解することは絶対にしない
- NITE は、金属缶や土鍋などの燃えない容器に入れて、販売店やメーカーに相談するよう案内している
- 燃えるごみ・不燃ごみなどの一般ごみに混ぜない
- 高温の場所に置かない、強い衝撃や圧力を加えないことが予防になる
膨らみに気づいたら(押すと、その説明へ移動します)
膨らみは「使用を中止する異常」のひとつ
NITE は、リチウムイオン電池を使った製品について、次のような異常を感じたら使用を中止するよう呼びかけています(NITE 製品安全情報マガジン Vol.506(2026年8月7日))。
- 充電できない
- 不意に電源が切れる、急に充電がなくなる
- 充電中に以前よりも異常に熱くなる
- 膨らんで、変形している
- 焦げたにおいや化学薬品のようなにおいがする
- 落とす、ぶつけるなどで強い衝撃を与え、一部が変形や破損をしている
消費者庁も、モバイルバッテリーについて「膨らんでいる、熱くなっている、変な臭いがするなど、いつもと違って異常を感じたら使用を中止しましょう」としています(消費者庁「モバイルバッテリーの事故に注意しましょう!」)。
充電や給電ができる状態でも、膨らみに気づいたら使い続けないでください。
気づいたときにすること
- 充電・使用をやめる:ケーブルを抜き、スマホなどにもつながない
- 燃えない容器に入れる:NITE は、金属缶や土鍋などの燃えない容器に入れるよう案内している
- 周囲に燃えやすいものを置かない:消費者庁は、充電中は周囲に可燃物を置かないよう呼びかけている。異常のあるバッテリーも、同じように可燃物から離す
- 販売店やメーカーに相談する:型番と購入時期を伝え、回収や交換の対象かを確認する
- リコール情報を確認する:NITE の「NITE SAFE-Lite」で、リコール対象の製品かを調べられる
してはいけないこと
| してはいけないこと | 理由 |
|---|---|
| 押して元に戻そうとする、つぶす | NITE は、強い衝撃や圧力を加えないよう呼びかけている。電池に外力が加わって異常発熱したと考えられる事故が報告されている |
| 穴を開ける、分解する | NITE は、廃棄時のチェックポイントとして「絶対に分解しない」としている |
| そのまま充電・使用を続ける | 膨らんで変形しているのは、使用を中止すべき異常の例に挙げられている |
| 高温の場所に置く | 暑い日の車内や、直射日光の当たる場所への放置は避けるよう呼びかけられている |
| 燃えるごみ・不燃ごみに出す | NITE は、一般ごみに混ぜないよう呼びかけている |
なぜ危険なのか
NITE は、高温の自動車内に置いていたモバイルバッテリーの火災について、内蔵されているリチウムイオン電池セルが、内圧の上昇による膨張で破裂し、噴出した可燃性ガスに引火したものと考えられる、と説明しています。
同機構によると、2021年から2025年までの5年間に受け付けたリチウムイオン電池搭載製品の事故は2,140件で、製品別ではモバイルバッテリーが最も多くなっています。事故は春から夏にかけて気温の上昇とともに増え、8月にピークを迎える傾向があるとしています。
もし発火したら
NITE は、発火したときはまず身の安全を確保し、消火器や大量の水で消火するよう案内しています。対処が困難と判断した場合は、119番に通報します。
処分のしかた
膨らんだモバイルバッテリーは、通常の回収に出せない場合があります。まず販売店やメーカーに相談し、回収してもらえるかを確認してください。メーカーの回収がない場合は、お住まいの自治体に、膨らんだ(変形した)リチウムイオン電池の出し方を問い合わせます。
NITE は廃棄について、メーカーの回収の有無や自治体の回収方法を確認すること、一般ごみに混ぜないこと、絶対に分解しないことを挙げています。通常の処分方法はモバイルバッテリーの寿命と捨て方で解説しています。
膨らませないための使い方
NITE が挙げている使用時のチェックポイントのうち、日常で気をつけやすいものは次のとおりです。
- 暑い日の自動車内に放置しない(ダッシュボードの上だけでなく、車内全体が高温になる)
- かばんの中も含めて、直射日光の当たる場所に放置しない
- 落下などの強い衝撃や圧力を加えない。かばんの中で、上や近くに硬いもの・重いものを置かない
- ズボンの後ろポケットになるべく入れない(座るときに折れ曲がる可能性がある)
- 安全な場所で、目の届くところで充電する(外出時や就寝時の充電を避ける)
- 保管するときは、なるべく満充電の状態を避け、充電が必要な頻度を取扱説明書で確認する
購入時の確認点(PSEマーク、リコール情報、販売元の連絡先)はモバイルバッテリーの安全な選び方にまとめています。
よくある質問
少し膨らんでいるだけなら、使っても大丈夫ですか?
NITE も消費者庁も、膨らみを「使用を中止する異常」として挙げており、程度による区別はしていません。少しでも変形に気づいたら、使用をやめて販売店やメーカーに相談してください。
スマホやワイヤレスイヤホンのバッテリーが膨らんだ場合も同じですか?
NITE の注意喚起は、モバイルバッテリーに限らず、リチウムイオン電池を使った製品全般を対象にしています。使用を中止し、メーカーに相談するという基本は同じです。
飛行機に持ち込めますか?
異常のあるバッテリーは持ち歩かないでください。NITE は、公共交通機関では持ち込みルールを守り、留意事項を確認するよう呼びかけています。正常なモバイルバッテリーの持ち込みルールはモバイルバッテリーの飛行機への持ち込みで解説しています。
まとめ
モバイルバッテリーの膨らみは、使用を中止すべき異常です。押したり分解したりせず、燃えない容器に入れて、販売店やメーカーに相談してください。処分するときは一般ごみに混ぜず、メーカーまたは自治体の案内に従います。高温の場所に置かない、衝撃や圧力を加えないことが、日常でできる予防です。
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この記事について最終更新日:2026年10月10日
- 作成:Gadget Lab 編集部
- 製品の仕様はメーカー公式サイト、制度は公的機関の発表で確認しています(編集方針)
- 最終更新日:2026年10月10日
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